鹿児島県内でも焼酎蔵の製造に使用するのはめずらしい、発酵容器としての「木桶」
こんにちは。祁答院蒸溜所の蔵人、南之園です。
蔵の代表銘柄の芋焼酎「野海棠」は、焼酎づくりをする際のモロミの発酵容器としては、めずらしい「木桶」を使用します。
この木桶は、「野海棠」の大きな特徴の一つになっています。

鹿児島県は芋焼酎の製造が盛んで、現在、約110の蔵元がありますが、木桶をモロミ発酵用に使いますのは、鹿児島の焼酎蔵の中でも祁答院蒸溜所だけで、県内唯一の仕込み方法です。
木桶でモロミを発酵させる効果
・杉の木材(保温性能・断熱効果あり)でできているため、外気の影響を受けにくい。
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・外気の影響が受けにくくなるので、モロミが受けるストレスが少ない。
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・ストレスが少ないことにより、モロミが緩やかに、優しく発酵していく。
木桶での発酵が、鹿児島県で当蔵でのみ使われているわけ
それは木桶の管理の難しさ、生産性の低さがあるからだと考えます。

焼酎づくりの時期は、モロミ発酵で使用した後は、お湯で洗って、さらに熱湯で木桶を消毒する必要があります。
木製なので、洗剤を使って洗浄が出来ないためです。さらに、熱湯消毒には3日以上の時間がかかります。


熱湯を入れ、蓋をすることで、3日以上かけて、木が吸いこんだモロミを吐き出させる作業をします。
ステンレス製の仕込み容器や、甕壺の仕込み容器は、しっかり洗って消毒をすれば、その日のうちに次の仕込みに使えます。これに比べると木桶は次の仕込みまでに時間がかかるので、生産性が低いです。

また、焼酎造りが休みの時期(オフシーズン)でも、木桶を空のままにしていると木桶が枯れてひび割れ、壊れてしまう恐れがあります。
このため、焼酎造りがない時期でも木桶に水を張り、乾燥を防ぐという管理作業を行います。そして、木桶に張った水も腐らないよう、定期的に入れ替え、洗浄しています。
こうして書きながらも、手間がかかる仕込み容器だなぁと改めて思います(汗)。
今回は、こだわりの芋焼酎「野海棠」の特徴の一つである「木桶」についてご紹介しました。
木桶仕込みの事を思い浮かべながら、「野海棠」を飲んでいただけたら嬉しく思います。

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