こんにちは、鹿児島の焼酎蔵・祁答院蒸溜所の蔵人、東園です。
最近、芋焼酎の魅力として「香り(フレーバー)」が注目されていますね。
焼酎づくりの際に、製造工程や原料特性などの香気成分を特化させることで「〇〇のような香りが楽しめる焼酎」が出来るのです。
今回は、そんな様々な香気成分の名前や、その香りがどこで生まれるか等、いくつかご紹介したいと思います。

香気成分の名前と、生まれる工程
- 酢酸イソアミル
バナナを連想させる甘い果実のような香りです。
主に酵母(香り酵母)が発酵中に生成します。
- カプロン酸エチル
リンゴを連想させる甘い果実のような香りです。
主に酵母が発酵中に生成します。吟醸粕を使用した酒粕焼酎に多く含まれます。
- 酢酸エチル
熟したメロンを連想させる甘い香りです。
主に酵母が発酵中に生成しますが、本格焼酎・泡盛のみならずその他の蒸留酒において
も広く含まれます。
- リナロール
ラベンダーの花を連想させる花様の香りです
甘藷焼酎において、サツマイモ中のモノテルペン成分が、麹の酵素により分解され
蒸留時の熱と酸でリナロールへ変わります。
- β-ダマセノン
バラやはちみつを連想させる甘い香りです。
甘藷焼酎の特徴的な香りで、蒸留工程の後半に生成されます。
- バニリン
バニラ特有の甘い香りでバニラビーンズの主な香気成分になります。樽貯蔵をすることにより
酒類に香りを付けます。
- ジアセチル
ヨーグルトを連想させる甘酸っぱい香りです。
紫芋など色素が濃い芋の仕込みで生成されます。
まだまだ、多くの香気成分がありますが1~7までご紹介した香り成分は、比較的好まれる傾向があります。ここからは、逆にあまり好まれない香気成分(欠点臭)をご紹介します。
- 酢酸
刺激的なお酢の酸っぱい香り、酸臭といいます。
モロミの高温度発酵・高糖濃度により生成量が増加します。
- フルフラール
煙のようなスモーキーな香り。
蒸留を開始し、3時間経過すると生成量が急激に増加し、コゲ臭や末垂れ臭が生成されます。
このように、あまり好まれない香気成分として、酢酸とフルフラールがあり、私たちは製造時にモロミの温度管理、蒸留は蒸気圧による時間調整などを心がけています。
香りと味のバランスを試行錯誤し、蔵人一同、これからも皆様に喜んでいただける焼酎造りに努めてまいります!!
祁答院蒸溜所の「〇〇の香りがする焼酎」
・野海棠赤
・甑島小町
・野海棠ムラサキマサリ
・おとめつばき
・黄金芋がざくざく
・野海棠いざなう
・野海棠ストーリー


こちらの中でも、特におすすめで人気なのは、「バラやラベンダーの香り」が特徴的な、野海棠いざなうです。
紫芋を貯蔵・熟成させたのち仕込む特別な逸品です。機会ございましたら、ぜひお試しください。
これからの季節、炭酸割りがお勧めですよ!!
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